2020.12.19
実りの秋、食材豊富なこの季節は食欲も進みます。おいしく食べるには胃腸の調子も良くないと楽しめませんね。でも腹痛や膨満感などが不快な〝便秘〟で悩んでいる人も多いのでは? 便秘とは便の水分が少なく固い状態で、排便に苦痛や困難を伴う場合をいいます。数日間出なくても無理がなければ便秘とはいいません。慢性の便秘を大きく分けると、大腸の運動機能が低下する「弛緩性便秘」と、腸の一部が痙攣・収縮を起こす「けいれん性便秘」があります。弛緩性便秘は体質や不規則な生活、運動不足、ダイエット、食物繊維や水分の不足、腸内環境の悪化などの要因が絡み合って起こることが多く、一方、けいれん性便秘は、ストレスや緊張による自律神経の乱れや過労などが原因となるようです。
まずは規則正しく、バランスよい食事をとるよう、食生活から改善することが大切です。特に食物繊維の多い食事は便の量が増えて便秘改善につながります。ただし、けいれん性の場合は逆で控えめに。乳酸菌は整腸作用があるのでおすすめです。さらに、朝、1杯の水を飲んだり適度な運動をして腸を刺激したり、定期的なトイレタイムを設けるなど、なるべく薬に頼らずに便秘が習慣化しないような工夫をしましょう。
こんにゃくはサトイモ科の植物の球茎である「こんにゃく芋」から作られる加工品です。こんにゃく芋を薄く切って乾燥させた荒粉か、それをさらに精製した精粉に、灰あ汁くや水酸化カルシウムなどの凝固剤を加えます。すると、この凝固剤のアルカリ性によって、こんにゃくに含まれるグルコマンナンという水溶性の食物繊維が独特のプルプルした食感に変化します。グルコマンナンは人の消化酵素では消化できないため、分解されずに腸まで届き、腸内細菌の餌となって腸の運動を活発にします。そして体内の不要なものと一緒に排出されていくので、昔から「こんにゃくはお腹の砂おろし」と呼ばれ、お腹の掃除をしてくれる食品としても利用されてきたのです。
精粉を使って作ると白いこんにゃく、生芋から作ると皮などが入るので黒いこんにゃくになりますが、最近は黒いこんにゃくも精粉を使い、ひじきなどの海藻を加えて風合いを出していることが多いようです。いずれも凝固剤のアクやにおいが残ることがあるので、塩で軽くもんでから数分茹でるなどのアク抜きにひと手間かけると、味もしみこみやすく、おいしくなります。