2020.12.23
地球上の生命体は、地球で生まれ、進化し、現在の生態系を形作りました。その地球は、宇宙の中で誕生し、もちろん、その宇宙にも始まりがあって、気の遠くなるような時間を変化し続けています。私たち生命体は宇宙から生まれたと言っても過言ではないのです。
宇宙の誕生は約150億年前、想像もつかないような高エネルギーと密度、そしてそれに伴う高温高圧の状態から、ビッグバンと呼ばれる大爆発によってできたといわれています。まず、その爆発の中から水素やヘリウムのような軽い元素が生まれ、これらの元素が集まって星雲ができ、銀河が生まれました。星雲からは多くの星が生まれ、その星では水素とヘリウムを原料にして、少しずつ重い元素ができていきます。宇宙初期の超新星大爆発では第二周期元素であるBe、B、C、N、O、F、Neができ、超新星の残骸から更に第二世代の超新星爆発を経て、第三周期元素のNa、Mg、Al、Si、P、S、Cl、Arが、第三世代の超新星爆発で、第四周期の元素であるCa、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Br、Krができて宇宙に蓄積していったのです。こうして大体私たち生物に必要な元素が宇宙にそろったことになります。
このように星の爆発と凝縮が繰り返されながら太陽系ができ、およそ46億年前に地球が生まれました。原始の地球は次第に冷えていき、原始大気中の水蒸気は雨となって地表に落ち、原始の海を形成しました。そしてついに30数億年前、この海で最初の生命体が誕生したのです。生命が海で誕生したことは、生命体と海の元素の組成が似ていることからも裏付けられています。
1953年、米国のユリーとミラーの実験で、水素、メタン、アンモニア及び水蒸気をフラスコに入れて放電するという、原始地球の状態を再現した実験で、そのフラスコの中に種々のアミノ酸の生成が認められたため、最初の生命体が地球上で作られたという仮説が俄然真実味を帯びてきました。ところが1969年オーストラリアのマーチソン村付近に飛来した隕石の中に、グリシン、アラニン、グルタミン酸といったたんぱく質を構成するアミノ酸が発見され、隕石によって生命の元が飛来した可能性「宇宙起源説」が議論され始めたのです。その後、マーチソン隕石からはDNAの素材である糖も発見されました。さらに東北大学の中沢弘基氏らが地球上の窒素と水、隕石に含まれる鉄と炭素が材料になり、隕石が衝突した衝撃によってアミノ酸ができたのではないかという仮説を打ち出し、実験的に証明したのです。中沢氏はこのようにできたアミノ酸などの有機分子が
どの説もそれぞれ可能性が考えられますが、いずれかの説、あるいはそれぞれの説が重なり、さまざまなアミノ酸や糖の存在、太陽の紫外線、粘土や砂に含まれるAlやSiなどの触媒、アンモニア、炭素、一酸化炭素、水素、窒素、塩化水素、硫化水素などの原料、これら原始地球の条件が複雑に絡み合った結果、生命の原型がつくられたのではないでしょうか。やがてアミノ酸、たんぱく質、糖、脂質、RNAなどの種類は増え、海洋中に存在していた鉄を利用してさまざまな生理的機能を獲得しながら単純な生命体へ進化したと考えられています。
その後、原始海洋中で光合成を行なうシアノバクテリアが突然変異で大増殖し、酸素を放出するようになります。この酸素が鉄と反応した酸化鉄が海底に沈む一方、反応しなかった酸素は海から大気中に放出されました。海水が酸素で満たされると、今度は銅と酸素が生命体に利用され、異なった生理機能を持つ生命体が出現したのです。
大気中に飛散した酸素は強い太陽光線と反応して、オゾン層を形成し、地上に穏やかな光をもたらしました。長い長い時をかけ、海に潜んでいた生物の一部が陸上に進出し、土壌と植物を利用して、海洋とは異なったミネラルをも利用して大進化を遂げたわけです。その後、生命体は多数のミネラルを利用して生体反応を高度なシステムとして創り上げていきました。放射線と放射能
私たちの体内のミネラルは、極めて多数のたんぱく質や酵素中に存在し、それぞれが体内で特有の生体反応や化学反応に関わっています。ミネラルはたんぱく質と結合することにより、それぞれの生理作用が何倍にも増幅されるのです。これはミネラルが微量で充分であることを示しています。生命の発生とその後の進化にはRNA、DNA、あるいはたんぱく質などの豊富な高分子化合物と多種類のミネラルがなければ成立しませんでした。生命はミネラルがなければ誕生しなかったのであり、生命が維持され進化するためには、常にこれらのミネラルが細胞や体内に存在しなければならなかったのです。
現在の生物は天然に存在する92種の元素のうち、おおよそ30種類の元素を体内で使っています。また、ミネラルはそれ自身特徴的な生理作用を持っており、それを活かして医薬品などさまざまな分野で開発利用されています。そんな中、ゲルマニウムという元素もこれからの生命の進化や生命活動に寄与していける大きな可能性を秘めていると考えられます。中でも「アサイゲルマニウム」は、浅井一彦博士によって創製されて既に四十数年を経過しています。生命の進化に比べたらほんの短い間ですが、それでもその間に科学的分野で多数の研究が積み重ねられ、多くの方々の健康に貢献してきました。現在もそれは変わらず、営々と続けられています。
原始の海のように厳しい荒波の中でも、可能性とエネルギーに満ちたアサイゲルマニウムと生命科学研究が人々の健康と幸せに貢献できることを目指していきたいと思います。