2019年 春・夏
前ページのような気になる症状があって検査をしても異常がみられない場合は、自律神経失調症の可能性があります。その原因のほとんどはストレスと生活習慣です。
例えば、家庭や職場でもめごとが起きてどうしたらいいのかと悩んでいると、動悸、食欲不振、不眠、便秘などとなって現れてくることもあります。活動モードとリラックスモードを調節している自律神経の働きが乱れてしまうからです。
まず大切なのは、生活習慣の見直しです。食べたり食べなかったり、眠れないからとダラダラ起きていたり、という状態を改めましょう。
いつもの時間に食卓についてください。食欲がなくても、少し口にしてみましょう。また、いつもの時間に床についてください。眠れなくても、横になっているだけで心と体を休ませることはできます。
いつもの時間に出社したり、これまで通り家事をしたり、子どもとの時間や散歩の習慣など、今までと同じリズムある生活を取り戻すことが、症状改善の第一歩となります。
自律神経失調症の原因の多くが、ストレスや過労で常に活動モードになっていることです。ですから、心と体の緊張をゆるめて、上手にリラックスモードに切り替えられるようになることがポイントです。例えば、好きな音楽を聴く、カラオケで得意な歌を歌う、スポーツやウオーキングをする、入浴タイムを楽しむ、グチを聞いてもらう、笑うなどが効果的です。
「笑う」は、作り笑いでも有効。表情筋を動かすことで活動モードがゆるみます。自律神経失調症の方は、どちらかというと真面目で几帳面。好きなことや楽しいことをするのが苦手なのです。
遊んでいる、怠けていると受け止めてしまう傾向があるようです。ご自分の好きなこと、楽しいと思えるようなことを、ぜひ積極的に行ってください。
では、自律神経失調症を改善する方法として医師も推薦している「筋弛緩法」と「自律訓練法」を紹介します。空いた時間に5分程度トライしてみましょう。