2020.12.06
暖かくなり、木々は芽吹き、花々が咲くこの季節、華やいだ気分とはうらはらに気になるのが花粉症や肌荒れです。季節の変わり目はお肌が敏感です。冬の乾燥でお肌のバリア機能が低下しているところへ、花粉や「春一番」などの強い風で舞い上がるホコリ、強くなる紫外線、温度や湿度の変動、生活環境の変化によるストレスなどなど、お肌にダメージを与える原因が重なります。油断しているとお肌がカサついてシワやたるみ、シミのもとになったり、吹き出物やニキビができたりします。無理にお化粧で隠そうとすると、かえって悪化することも。お肌を清潔に保ち、たっぷり保湿をして、睡眠も十分とりましょう。特に、成長ホルモンの分泌が盛んになり、皮膚のターンオーバーが活発になる深夜1~2時頃はグッスリ眠って。栄養の偏りや不足も肌荒れの大きな原因ですから、栄養面でも体の内側からお肌をバックアップしてあげましょう。
柿は日本に古くからある果物で、「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるように、健康に良いことも広く知られてきました。ちなみに世界的にも柿は「kaki」で通用します。主要成分は糖質ですが、ビタミンCやβ – カロテンが豊富で高い抗酸化作用を持っています。柿の渋味成分であるシブオールはタンニンの一種で、ポリフェノールの仲間です。渋柿はこのタンニンが水溶性なので、切ったり、噛んだりした時に細胞が砕けてタンニンが溶け出し、渋味を感じるのです。ところが干し柿にすると、タンニンは不溶性になって溶け出さなくなるため、渋く感じなくなるのです。
干し柿にするとビタミンCは減りますが、β – カロテンが3倍以上に増え、食物繊維の含有率も高まります。また、生の柿は体を冷やしますが、干し柿は内臓を温める作用があり、胃腸の働きを助けます。干し柿の表面にふいた白い粉はブドウ糖と果糖が結晶化したもので、甘味のある証拠です。これを漢方では「柿霜( しそう)」と呼び、咳止めや痰を除く作用があるとされています。干し柿は先人の知恵と工夫によって生み出され、おいしさと栄養が濃縮された健康食材です。