2020.12.18
4月に入ると、やっと寒さが遠のいてお肌もホッとするわね。
それが、ずっと使ってきた化粧水が急に沁みるようになった、という友達がいるんです。カサカサするし、顔に髪の毛が触れるだけでかゆくなったりするんですって。毎日忙しいし、病院へ行くほどでもないけど、お肌が落ち着かないと気分も落ち着かなくて困るって言ってました。
それは、良く言う敏感肌らしいわね。
敏感肌かどうかはどうしたらわかるのでしょう?
それが、いろいろなトラブルが起こりやすいという事は確かだけれど『これが敏感肌だ』という特徴的な症状がないから、皮膚科の医師も、化粧品業界の人も、本人がどう感じているかどうかを元に総合判断してきたようなの。
敏感肌って自己申告制なんですか。でもそういう人が増えていますよね。
確かにね。自己申告による敏感肌の調査が始まったのは1980年頃からだけど、当時は自分が敏感肌と思っている人が調査対象の5人に1人だったのに 1990年代は3人に1人になり、その後も年々増える傾向にあるのよ。
へぇ、私が生まれる前から調査されていたなんて、敏感肌の歴史は結構長いんですね。
まあね(エヘン)。 『自分を敏感肌と思う理由』を訊いてみると
①冬場など特に乾燥しやすく、粉をふいたような状態になる。
②何かとヒリヒリしたり、つっぱったり、痒みの出ることがある。
③日に当たっただけで赤い湿疹の出ることがある。
④ニキビや吹き出物が出やすい。
⑤化粧品を変えた時に刺激を感じやすい。
⑥いつも使っている化粧品でも刺激を感じることがある。
⑦体調やストレスで肌が変化する。
などが多いの。一見よくあることだけど、こういうことが重なって出たりして、いつも不安定でいることが問題ではないかしら。まあね(エヘン)。 『自分を敏感肌と思う理由』を訊いてみると
①冬場など特に乾燥しやすく、粉をふいたような状態になる。
②何かとヒリヒリしたり、つっぱったり、痒みの出ることがある。
③日に当たっただけで赤い湿疹の出ることがある。
④ニキビや吹き出物が出やすい。
⑤化粧品を変えた時に刺激を感じやすい。
⑥いつも使っている化粧品でも刺激を感じることがある。
⑦体調やストレスで肌が変化する。
などが多いの。一見よくあることだけど、こういうことが重なって出たりして、いつも不安定でいることが問題ではないかしら。
ただの乾燥とはちょっと違って、症状の重なり方や程度もいろいろなんでしょうね。
一昔前までは、アレルギーやアトピー体質の人とか、皮膚症状が出やすい病気を持っている人以外は、赤くなったりヒリヒリしやすいというだけでは、皮膚科に行ってもあまり相手にしてもらえなかったようよ。 〝敏感〟肌というと、デリケートなイメージがあるから『自分でそう思いたがっているだけではないか?』と誤解されたこともあったみたい。
本当に悩んでいる人には気の毒ですね。
そうなのよ。でも敏感肌を訴える人が増えてきたこともあって、お肌の状態を調べる方法や精密な測定装置ができたりして、どういう時に刺激を受けやすいのか、その時お肌がどういう状態なのか、詳しい調査や研究が行われるようになったのよ。おかげで、敏感肌は『気のせいではない』ことがわかってきたの。
やはり原因があったのですね。そもそも外からの刺激に対抗するために、お肌にはバリア機能があるはずなのに、問題はそこかなぁ?
大当たり! 比較的お肌の状態が安定している人と敏感肌の人とで、汗以外のお肌からの水分蒸発量を6週間にわたって測定した実験があるの。安定肌はその期間中は蒸発量が少なめでほぼ安定していたのに対して、敏感肌の人は全期間にわたって安定肌より3~4倍も多く、また日によって量の変動が大きかったの。
明らかにバリア機能が低下しているようですね。
別の実験で、走査電子顕微鏡という装置を使って角質細胞の状態を観察しているの。何と、普通の角質細胞は表面が滑らかなのに比べ、敏感肌の人の角質細胞には表面に 〝微絨毛突起〟というものがたーくさん出来ていたの。
びじゅうもうとっき? 角質細胞に突起が!?
そうなの。突起があるために角質細胞がお互いに引っ掛かって、役目を終えてもいつまでも剥がれないでいるのよ。役目を終えた細胞は硬く縮んでしまうので、透明感がなく、ガサガサで粉をふいたお肌になるのよ。表面が滑らかなら何かに触れてもサラッとやり過ごせるのに、突起のおかげで引っ掛かりやすいから、髪の毛が触れただけでも刺激として感じてしまうし、花粉などの異物も付きやすいのよ。
想像しただけでムズムズしてきちゃいますね。
最近になって、微絨毛突起を作らせる犯人が紫外線だということが分かってきたの。紫外線を浴びると、角質細胞の素になる基底細胞にGLUT-1 という異常たんぱく質が作られ、それが影響を与えて角質細胞に突起を作らせてしまうらしいの。
もともと乾燥しやすくてバリア機能が落ちやすいところにつけ込んで、紫外線が追い打ちをかけているんですね。
病名にこそなってないけど、敏感肌という状態があるのは確かで、それが増えているのは生活環境の乾燥化や食生活の変化が影響しているようね。本来は小さなダメージならすぐに回復させる力があるのに、現代の様に忙しくて食事の時間が不規則で内容も偏りがち、睡眠も不十分など、お肌が回復するための材料や時間が取れないとダメージが溜まってしまうの。
健康な人でも精神的ストレスが続いただけで、お肌のバリア機能が弱って乾燥しやすくなると言いますから、私達だっていつ敏感肌になってもおかしくないですね。
ストレス解消法も大切だけど、お肌の乾燥対策で敏感状態を防ぐことはできるのよ。不安定になりやすい人も、十分な保湿と紫外線対策でバリア機能が改善し、微絨毛突起さえも出来なくなることがわかっています。ただ、軽い症状でも長引いたり繰り返したりするようなら、隠れた病気があるかもしれないので、躊躇せずに病院に行って欲しいわね。